かつ消えかつ結びて
記憶を撫でる午睡の夢
部屋の中
破壊された暮らしの
痕跡を訪ね歩く
八年前から洗われぬままの容器に
雑穀を詰め
壊れたまま動き出す時計の針
今日やったこと
大掃除 煤払いを少し
もしも私が死んでも
私は弱かった
それだけの話
私が弱いならば
何が悪いのか?
「何も要らない」とは
私の思いに無い言葉
それは、誰か
図々しく私の代弁をしたがる人の言葉
それが思いを口走っただけ
それで、私は私の台詞
「たがためぞ」が
「たがために」にすり替えられるようなここに
「Z≠N」と遺す
これこそ自ら「存在」を消す術
私は世に本人意志とは何かと問う
(「Z」と「N」が「もはや同じ」と理解されるようでは、天と地ほどにもこの人とあの人は分断される、これこそが「死」でありましょう。)
油でもって
滑りを良くする
自在を得る
繰り返して
肉体は役から放たれ
自在を得た風の暮らし
あてもなく探させ
彷徨い歩かせるのをやめろ
時に
それが必要で
目的ではない
丸と三角と四角を
綺麗に重ねて さあ
あの呪文
巾着袋に入れてある
平安に至る旅の道中の手荷物
大黒様の頭陀袋 中のお品は五つの箱
ここに千の道具が納まっている
ひとつはおもちゃ箱
七福神の宝船 カルタと双六が入っている
ふたつは薬函、クスリ箱
「江戸が悪い」はプラセボ効果の万能薬
みっつ三つ時おやつの箱
中には思い出の干し殺し
よっつは道具箱
箱の中に箱があり 筆箱、裁縫箱、他の道具の箱
いつつに宝箱
中には結婚指輪がふたつ 名入りの指輪で名札になる
宝箱は七福神の宝船に乗せてある
絵柄図柄で彩られた箱の蓋 一瞥で用途が分かる
袋が重いので
七福神のひとりを娑婆に置いていく