2017/06/01

親の無い子

私が親の無い子だった頃
賽の河原で石を積んでいた
石を積むのは嫌いじゃなかった
積んだ石を崩していく鬼が嫌いだった
鬼さえいなくなれば
ずっと石を積んでいられたのに

私が親の無い子だった頃
親に会うことも望みはしなかった
絶望に飽き足りていた

三途の川の向こう岸を夢見ていた
はやくあっちに行って
ひとりで石を積もうと思った

親の無い子が大きくなって
昨日鬼を倒して彼岸に辿り着いた
親に会うことも望みはしなかったが
石を積むことにも飽き足りていた

2016/12/18

擬態

「他人の不幸があってこその幸せ」
そんなつくづく嫌な人たちの前で、私は不幸な人でいた方がいい。
他人の悪口が好物の、僻みっぽい彼らの前で幸せを装うことは、危険極まりない。
彼らとさよならをして、遠のいて彼らが見えなくなったあたりで、
彼らの思いも寄らないような幸せのかたちを、私は実現していよう。

2016/12/04

苦しみの歌


私は苦しんでいる

私が苦しんでいる事実を必要としないあなたに
私が苦しんでいる事実は共有できない

あなたに苦しむ私は要らない


私は苦しみの中にある

私の苦しみに寄り添うのでないなら
あなたは私に出会わない

あなたは永遠に
私に出会うことがない

(引き合ってしばらくして軌道を外れて
通り過ぎざまにあたたかな幻をみる
惑星のように)

私はここにいるのに
私はここにいない理由
目の前の共有物を
何ひとつ
あなたと共有できない理由
情報が偏在する理由
虚しさと孤独の理由

あなたが切り捨てた私
あなたが無視した私
苦しみ悶える私
ここに存在しない私

あなたがいてそこに苦しみがあるだけ
あなたのそばにある苦しみを
あなたは知らない

2016/07/06

私のエレジー

(山本太郎がこれだけ一生懸命話しても、
現実に私のまわりは「政治の話」を完全ブロックする経団連ならびに改憲勢力に利するだけの肉屋の豚しかいないので、
生きづらい。)

肉屋の豚たちといても未来に希望を感じない。
肉屋の豚のポジティブ思考は刹那的だ。
「より美味しい豚肉になるために…云々」。
将来豚肉になる以外の話は禁じられている。
将来豚肉になる以外の話ができないのに、「屠殺」という言葉を使ってはならない。

2016/05/16

蚊帳の外

己が身の程に応じて ではなく
所属していれば
己が存在よりも 余分に 埋め合わせてくれる
この おせっかいな社会 にあって

もしも 思いを口にしないなら
思いも寄らないことを口にすることになる

思ったことを口にすることが「卑怯」だなんて
いつから 思いと裏腹であることが「ふつう」になったのか

いのちが抜き取られて
まるごとニセモノにすげ替えられた

この 社会の 真実は
蚊帳の外にある

本物は 蚊帳の外にある

2016/02/28

2016年2月28日

人を遠ざけて孤独な自然の中に住まい、いつか人に出会う時のために、ことばの練習を絶やさない。

誰も私の語りを聞いていない前提を了解しつつ、その上で饒舌に語り続けることをやめないこと。
人に話を聞いてもらおうと思わないこと。

ふつうの人がなかなかやれないことを、キチガイだからこそできる。

人に理解されないことから、逃げない。
同時に、人に理解されることからも、逃げない。
話の通じるものわかりのいい人がいてもビビらない。

やってもムダだからやらないのではなく、あえてムダを恐れない強い心を持ち、やり抜くのである。

私はそういうものであろうと思う。

2015/02/17

選民

色んなところに色んな人がいて
口々に一様の真実を語るけれど

嘘をつくことの本当の恐ろしさを
知らずに平気で嘘をつき続ける

あの人
こわい こわい

失敗から得たのは
失敗を繰り返すことだった

「失敗など無い」と言えば
失敗したことにはならなかった

生き恥を晒すとも
あとの祭りとも

闇に葬り去って棚上げした
あれらの過去に配慮を怠ったのも

「あれは 失敗ではなかった」

何なの あの人
選ばれし懲りない面々