2013/10/16

台風26号

肛門をかたどったような議員バッヂがよく似合う
ボンボンのポスターが
街の景観も私の心も汚すなんて
誰もなんとも思っていやしない
私の傷つきやすさは置いてきぼりだ
季節外れの台風一過に中秋のすきま風

あの釣師

"Before I am old
I shall have written him one "

「老いぼれる前に
 この男のために一篇の詩を書こう」

と百年前に
イエイツが内的視覚で出会った釣師こそ
誰あろう
私のダンナであった
 

2013/10/14

デフォルトを待ちながら

まだ動けない
息の根が止まるのを見届けるまでは
押し合いへし合い散り散り崩れゆくのを
ゴドーを待つように
節度を保てなかった不健康な時代を
神さんが親指でひねり潰していくのを
眺めているだけ

あの人の叫びは残るだろうか
その向こうの叫びは沈黙するのか
右に倒れるのか左に倒れるのか
散らばって死んだフリのあと
また集まって悪さをするんだろう
とどめを刺すのは誰だ
見極めるまでは動けない

2013/10/10

2013年10月

異形な人の時代、
妖怪の時代がくる、
逃れようがない、
これを勇気を持って肯定すべきかもしれない。

それであっても、
軸は見失わない。
私は、
私がここに在ることを試されている。

時代よ、来やがれ。
剣は冴え、
痒ければ掻くのごときに、隙あらば斬る。