2026/08/26

くすりのうた

 

万病即効『江戸が悪い』


悪い悪いは江戸が悪い

『江戸が悪い』はよく効く薬

播州を出でてフォッサマグナを越えまして

『江戸が便利』に名を変えて

プラセボ効果で万病即効

便利な薬になりました


悪いは何でも江戸のせい

それを聞いた近江の薬売り

「悪い」はよくない

便利な江戸にあやかって

『江戸の精』に名を改め

効き目穏やかを謳いました


何はともあれ「江戸」のくすり

江戸のくすりであれば万病即効

合点のいった越中富山の薬売り

『江戸のくすり』と名を改め

一躍まがい物で一儲け

所詮プラセボ効果ならばとか


いずれにしても「悪い」は悪い

『江戸が悪い』はパイオニア

万病即効引っ提げて

市場撤退したそうな

結局本家は『江戸が便利』

『江戸の精』は改良品

『江戸のくすり』はジェネリック


しかしお立合い

誰も『江戸が悪い』の本当の効き目をご存じない

ここから先は値の張る話だ

2026/06/24

大事なこと

 

音はのりもの

そしてキエモノ

人はおよそ

のるかなるかだけ

何でもない

とても大事なこと

2026/06/10

紙片

 

存在は、その内に目的を秘めている。

あるいは、目的とは存在そのもの。

その時不在は、目的の在処を示す。

あるいは不在のかたちが、存在を証しする。

不在のかたちが立ち現れるのを夢見ている。

2026/02/14

意味を持つこと

 

東山町4丁目五叉路の在りし日の石神


辻の境の石神の

そのかたちは意味を持つ


”失われた時のシンボル”


時が息を吹き返す時

そのかたちはお役御免


でも 思い出は

石のかたちを在り様を

夢に覚えて大事になる


あの日あの時あの場所に

異形な石があったこと


「なぜ?」と問うても

夢に探し尋ね歩くだけ

2026/01/26

大風呂敷を広げると

 

政治的決着

「自民党が悪い」だけの虐殺事件

小泉×竹中ミレニアム

ノストラダムス劇場型


法のヌケサク

クソ田舎のタヌキ爺


生かさず殺さずの村八分

八分を超えて村十分

ひとつは半殺し

そのまま放っていつ死ぬか


「いのちがけ」ってんだ

「よく覚えておけ」なんて抜かすんだ


あいつら張子の虎なんだ

結局こちとらベロ出しちょんま

タヌキ汁なら要らないよ


村に「死の選択肢」など要らない


殺す理由は何だっていい

「他所から来た」「ちょっと背の高い」

「東の人間」「嫁さん連れている」

「大学にも行かせてもらっていないんじゃあ」


「構造の差別は匙加減ひとつ」

「なんだ神の見えざる手ってのはこの匙加減の人か」


ヒモ経済か

SMの下手なヒモ男が神の御手


理不尽な暴力の作り方

精神波攻撃とはどうするかって

あいつらそれ知ってやがんだ


人を呪はば穴ふたつ

村人が墓穴も掘らずに呪うから

人生潰されて大迷惑

令和の後家の詩

 

「もういいじゃん」

と子どもの言うようなことを周りが言うのを

ずっと黙って耐えていて


もういい?「いい」はずがない

それで私は誰をも許す力を失った

「野犬の駆除」のわだかまり


禍根

生きていればそんなことはあるだろう

「もういいじゃん」


それが私を押し出し

あらゆる場が私への殺意で満ちた

2026/01/09

自画自賛

 

かつて私は食べものだった

煮え切らないものを抱えた

十代までの私はつくねになった


私は食べものを卒業して

お嫁に行った

食べものだった私には

お嫁とは何をするものか

わからないまま


鬼になった

人の女とはこんなものかと

それがわかるだけで

ただのものわかりのいい人だと思われた

2025/12/17

森へ行く


剣を持って

鏡を持って

弓矢を持って

針と糸を持って

着るものを着て

履物を履いて

これが道具で武器で


剣で石を削って

鏡を覗いて

弓矢で音を奏でて

履物と着物を編んで

針と糸で縫い合わせて

これが道具で武器で


剣で字を書いて

鏡を覗いて

弓矢と針と糸は置き忘れて

とりあえず着物着て

履物履いて

道具と武器はどこよ


剣と弓矢は使えないから

要らないけれど

着物と履物と針と糸だけ

誰かに道具と武器は持たせて


鏡だけでいい人がいて

針と糸も要らないから

着物と履物だけ要るらしくて

何も要らないとは

誰も言っていなくて 

昼寝


かつ消えかつ結びて

記憶を撫でる午睡の夢


部屋の中

破壊された暮らしの

痕跡を訪ね歩く


八年前から洗われぬままの容器に

雑穀を詰め

壊れたまま動き出す時計の針


今日やったこと

大掃除 煤払いを少し 

2025/12/03

 

あの孤独、この孤独と、ただ孤独の隙間や隔たりの大きさが、それぞれ違う。

みんな夢の話をしている。

夢の中からことばを取り出して、誰か何かと分け合おうとする。

でも、拾って貰えずに、多くが隙間から零れ落ちていく。

隙間に落ちて行ったことばは、忘れられていくか、別の何か誰かのところで役に立っていたりする。

ことばを隙間に落とすより、隙間に落ちることばを拾う回数が増えたら、大したものなのに。

2025/08/10

妖精のおばさんの遺言

もしも私が死んでも
私は弱かった
それだけの話

私が弱いならば
何が悪いのか?

「何も要らない」とは
私の思いに無い言葉

それは、誰か
図々しく私の代弁をしたがる人の言葉

それが思いを口走っただけ

それで、私は私の台詞
「たがためぞ」が
「たがために」にすり替えられるようなここに

「Z≠N」と遺す

これこそ自ら「存在」を消す術

私は世に本人意志とは何かと問う

(「Z」と「N」が「もはや同じ」と理解されるようでは、天と地ほどにもこの人とあの人は分断される、これこそが「死」でありましょう。)

2025/06/22

魔法のうた

油でもって
滑りを良くする
自在を得る
繰り返して

肉体は役から放たれ
自在を得た風の暮らし

あてもなく探させ
彷徨い歩かせるのをやめろ
時に
それが必要で
目的ではない

丸と三角と四角を
綺麗に重ねて さあ
あの呪文
巾着袋に入れてある

2025/03/02

惑星直列

夜空を見上げるのか
星を見上げるのか
星が見下げるのか
夜空が見下げるのか
見えるのか
見える気がするのか
見えないのか

2025/02/14

許せないこと

完全でないこと
かたちが整わないこと
中身が揃わないこと
許すこと

幸せになるまで
星の数を数えて
生きる
それすら許されなかったこと

2025/02/01

大黒様の頭陀袋

平安に至る旅の道中の手荷物

大黒様の頭陀袋 中のお品は五つの箱
ここに千の道具が納まっている

ひとつはおもちゃ箱
七福神の宝船 カルタと双六が入っている

ふたつは薬函、クスリ箱
「江戸が悪い」はプラセボ効果の万能薬

みっつ三つ時おやつの箱
中には思い出の干し殺し

よっつは道具箱
箱の中に箱があり 筆箱、裁縫箱、他の道具の箱

いつつに宝箱
中には結婚指輪がふたつ 名入りの指輪で名札になる

宝箱は七福神の宝船に乗せてある

絵柄図柄で彩られた箱の蓋 一瞥で用途が分かる

袋が重いので
七福神のひとりを娑婆に置いていく

2024/11/13

人身取引哀歌

父権の喪失 母性の堕落 腐った家族観
子どもを叱れない親は「子どもに嫌われたくない」と
諭しも導きもしなくなり

そうして子どもはアホになり
アホの子どもを「ホメよ」とモラルが敷かれ
むかし偉かった親は 滅び廃れ 夢幻

子どもをダシに使う政治家に
アホの親子はまんまと騙され
「社会は何するところなの?」

これがむかしの話であったなら
嗚呼 いかのおすし
いかのおすし

2024/09/26

うたうこと

狂気は地獄の熱
熱狂は地獄の熱
何度焼かれても私は甦る

ことばはうた
うたうこと

2024/09/10

魔女の叫び

英雄は死を得た
私は新しい歌を手に入れた
英雄の死を悼む
私は叫び、歌う
生まれたての赤ん坊のように
死ぬその時まで

The hero has earned his death
I got a new song
I mourn the death of heroes
I scream and singing
Like a newborn babe
Till the hour of my death

2024/06/23

ある夏至の頃

空梅雨の
雨を待ちながら
村はずれ
乾坤一擲
丁々発止

カネは「冗談」
人余りが戦
いくさびとは罪無き罪人たち

あはれなるものを見るために生まれてくる
それをまなざし
永遠の蓄えに

2024/06/10

宝石

地獄の川は血の色
あなたは金剛石
私はザクロ石
血を流すのは私
なのにあなたの血が流れて
私は石を二つとも手に入れた
あなたもどちらも手に入れて
お守り袋に持たせるから