2024/06/23

ある夏至の頃

空梅雨の
雨を待ちながら
村はずれ
乾坤一擲
丁々発止

カネは「冗談」
人余りが戦
いくさびとは罪無き罪人たち

あはれなるものを見るために生まれてくる
それをまなざし
永遠の蓄えに

2024/06/10

宝石

地獄の川は血の色
あなたは金剛石
私はザクロ石
血を流すのは私
なのにあなたの血が流れて
私は石を二つとも手に入れた
あなたもどちらも手に入れて
お守り袋に持たせるから

2024/05/29

風の亡骸

風の教え、風の研究、風のまなざし。

復讐とは「根」のこと。
よい種を蒔き、よい風を吹かせる。
風の仕事は、ただそれだけ。

綿埃は風の亡骸。
風は地に伏す同胞の亡骸を見、
これを集めるもの、
散らすものもある。

空に舞う者、風に散らされる者、
火で焼かれる者、水に流れる者、地に伏す者。

死はけじめ。

2024/05/24

けものみち

空蝉の中に隠す実の身
これが実だとは誰も気づかず

往く人も狐狸さながらに
さっさと過ぎる空蝉ばかりが

2024/05/17

揺蕩

浮草の
種(くさ)の根休め
流離いて
泉の畔に
寄る辺無しとて

2024/05/05

ある命日

この世と彼の世の特異点にいる
彼の世に向かっている

三途の川も
自力で半分泳いできたところ

のろしを上げても
誰も見向きもしない

SOS
SOS

救命救助じゃ命しか助からない
じゃあ死ぬか
ここで死んでも河童になるだけさ

 

2024/04/30

路傍の切り株

雨あがる
さめく枝葉の在りし頃を忘れて佇む
路傍の切り株

賑やかに
集住のキノコを内に寄せ
かつての枝葉を偲びもせずに