2013/06/19

ダンナ選び

もしも あなたがメアリーなら
コリンとディコンのどっちのお嫁さんになりたい?

私はディコンを選んだ

メアリーは バカだ
 

2013/06/09

ぬりかべの恋愛観

他人の恋愛には、あまり興味が沸かない。
ホレたハレた歌は好きじゃない。
他人がどんな愛を感じていようが、私には関係ない。
自分の純愛を他人の思いで汚すのは、もったいない。

なのに、巷に愛の歌は溢れかえり、景色を汚す。
汚れた思いを綺麗に見せようと、見よう見真似の必死さで、
虚ろになった、まるごと暴力となった、景色の中に立って、

何も残らない、傷ひとつ、私の中にとどまることがない。
皆、何に揺さぶられるのだろう。

2013/06/07

でくのぼう

自我が肥大し過ぎて巨人になった

見下ろすと 地平に
幾億の子どもたちがお遊戯をしている

少数の子どもがこの指とまれをしてはじめたゲームに
より多くの子どもが群がっている

この指とまれをした子たちは
小さな台の上に立って

他の大勢の群がる子は

鬼の役にまわった子が勝てるらしい
組を組んで一人を鬼に押し上げたり
鬼から引きずり降ろしたり

ルールのわからない子は

群れに入ろうとしたり
群れから外れたり

私も子どもになって
あのゲームに加わろうとしたが

いかんせん
私はでくのぼうの巨人なので
小さな子どもに合わせられない

邪魔にならぬよう
ただ見ていたが
もうすでに見飽きたので

「負け組で底辺で低能で社会に居場所が無いから このゲーム 降ります」
と 子どもの言葉でことわって
ほかの遊びを見てみることにした

長いものに巻かれるとき
その時長い方を選ぶか
長い目で見て長そうな方を選ぶか
どちらが長いのかをはかりかねても
自分が「長い」と思う方で
大方間違いない

あの子どもたちから教わった

2013/06/06

妖女伝

死の中に希望を見出した時
「私は老いた」と悟った
十五歳

その乙女が
人の形の化け物であったと気づいた時
四十歳

人に出会い
人の吐き出す魂を喰らい
永遠の血肉を完成させ続ける

「私は老いた」
あの時のあれが真実であると
枯れゆく途上の今
疑う余地がない

2013/06/01

崖の下で

上にいる人が梯子を外して「昇ってこい」と言う
梯子を降ろそうとしている人の梯子を壊して
「昇ってこい」 と

そもそも上に行く必要があっただろうか

何でもあるように見えて
あそこには何もない

それで私は 昇るまい と決めたのだ