2013/04/26

東風吹かば

青空を映して美しく見えるドブ川

誰も飛び込んで水浴びをしようとは思わない

それでも名を馳せ語り継がれるドブ川

ドブ川に沿ってソメイヨシノが咲き

はしゃぐ人が増え

春はたそがれ

梅の花は鳴りを潜めた

2013/04/17

DV国のとある一般家庭

"嘘吐き"という姓の
"嫉妬"と"軽蔑"という名のきょうだい
見栄張りを生業する親に服を着せられ
目糞鼻糞と罵りあい

親に可愛がられる"軽蔑"に
家から閉め出される"嫉妬"
これではいかんと親は"嫉妬"を家に入れ
目糞鼻糞と罵りあい

耐えかねて家出する"軽蔑"を
体裁繕う親が連れ戻し
また罵りあうのを眺める
末っ子の"ズル"

上のふたりは"ズル"が羨ましくて
こいつをやり込め苛め抜いても
親のほうでは知らぬ存ぜぬ
見栄を張るので忙しい

床の間に家宝の"頽廃"
夕飯は"ホラ吹き大根"と"嫌味の蒸し返し焼き"

親は子どもを愛している
子どもは親を愛しているとか

2013/04/07

鍵をかけること

心の扉は大抵半開きにしてあるが
一番奥の容れ物には常に鍵をかけてある

急な坂道を誰よりも早く転がり落ちた
あの子の家の扉は鍵が無く
風が吹けば 開いたり 閉じたり
だらしない玄関口から中に入ると
真っ暗がりの中の一番奥の容れ物は
鍵も無く わずかなガラクタが入っているだけ

このガラクタが大事なものか
気まぐれに大事にして 取っちゃ捨て
またわけのわからないものを貰って
気まぐれに大事にして また捨て
ガラクタの素性を自慢げに語り
自慢になっていないことに気づいて
また 捨て

あの子に云わなきゃいけない まず
容れ物に鍵をかけること
そうすりゃいずれ中身もガラクタじゃなくなるだろう

2013/04/06

人の間に

寄り添いながら生きている
人の間に軽蔑がある

軽蔑しながら付き合い続ける
軽蔑されながら付き合いにあわせる
軽蔑に気づかず軽蔑される

軽蔑されるようなことをするから軽蔑されると
軽蔑されるようなことをのたまい

軽蔑する
相容れなくする

軽蔑に慣れる
絆は断たれる

軽蔑 軽蔑 軽蔑…